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東京バレエ団『ザ・カブキ』を観てきました [バレエ&ダンス]

ピアノ教室から一回自宅へと戻ってから渋谷へ。
オーチャードホールで上演中の
東京バレエ団『ザ・カブキ』を観に行ってきました。
山手線が人身事故で遅れていたこともあり10分遅れの開演。

劇場入りの前に新宿方面での用事を済ませて、
通常なら新宿から山手線で渋谷に行くのですが
今日は何を思ったのか地下鉄を乗り継いで渋谷へ。
渋谷駅で山手線が人身事故で遅れていたことを知りました。
ラッキーなのか微妙ですが(笑)。

『ザ・カブキ』は歌舞伎や人形浄瑠璃でお馴染みの
『仮名手本忠臣蔵』を元にべジャール氏が振付た作品。
作品の存在は知っていましたが、観るのは今日が初めて。

歌舞伎で見慣れた作品が、どうバレエなるのか
かなり楽しみにして劇場へ行ってきました。
キャスト重視と言うよりも作品重視ですので
今日はオペラグラス無しで全体を楽しんで来ました。
ただ…斜め前に座高の高い男性が座っていらして
場面によっては見えない箇所も…(-_-;)。
オーチャードは1階後方か2階の方が観やすいです。

【主要キャスト】(敬称略)
由良之助:柄本弾
直義:森川茉央
塩冶判官:長瀬直義
顔世御前:二階堂由依
力弥:青木淳一
高師直:松下祐次
伴内:氷室友
勘平:宮本祐宜
おかる:佐伯知香
現代の勘平:井上良太
現代のおかる:河合眞理
石堂:谷口真幸
薬師寺:梅澤紘貴
定九郎:小笠原亮
遊女:吉川留衣
与市兵衛:永田雄大
おかや:田中祐子
お才:井脇幸江

ヴァリエーション1:小笠原亮
ヴァリエーション2:宮本祐宜

どうしても歌舞伎で見慣れている作品だけに
ついつい比較して見ている箇所があることは否定できずです。
多分、見ている視点がバレエとは違った所にあると思います。
歌舞伎にしても花組にしても、由良之助はベテラン役者が多く
あまり若手で観ると言うことが無いだけに、今回は若手公演を選択。
フレッシュな由良之助と顔世御前を楽しんできました。

オープニングは沢山のモニターが並び、ロックにブレイクダンスと言う
おおよそ仮名手本忠臣蔵からは想像も出来ない状況でした。
普通のシャツにパンツと言う何処にでもいそうな青年が
見つけた刀に触れた瞬間にタイムスリップするという演出は斬新。

兜改めの場面、顔世に言い寄る師直なんですが・・・アッサリしすぎな気も。
まぁ、踊るだけで「あんた、しつこいよっ」ってキャラは難しいですよね。
師直が裃で踊るのも大変だろうなぁと思っていたのですが
着物を羽織って踊る顔世はもっと大変ろうなぁと・・・。
みなさん苦も無く踊っているようには見えるから凄いですけど。

顔世を初役で踊られていた二階堂さん、顔ちっちゃいし、手脚が長いし
あまりに日本人離れしたスタイルに目がテンでした。
桜の一枝を持って青年と踊るシーンや舞台を通り過ぎる姿を拝見し
「殿が亡くなった日、庭には桜の花が咲いていたっけなぁ」と
切腹された日のことを思い出させてくれましたね。

由良之助を踊られていた柄本さん、初役とは思えませんでした。
実際、他の方を拝見していないので比較が出来ないのですが
若さあふれる力強い由良之助を見せてもらったような気がします。
個人的に由良之助は色っぽさとカリスマ性が必要だと思っています。
一力茶屋では敵も見方も欺いて遊び呆けているわけですから
茶屋で働く娘たちにモテてくれないと・・・。
それでいて、欺いたあげくに殿の為に仇討ちに立ち上がる時
かつての部下たちが彼になら付いて行こうと思ってくれないと・・・。
色っぽさは少ないかもしれませんが、カリスマ性と言うか
リーダーとしての統率力はあったのでは?と感じています。
回を重ねて少しづつ彼なりの由良之助が出来上がって行けばいいなぁと(^^)。
安定していますし、キレのあるダイナミックなソロを見せていただきました。

松の廊下、あれって子供の喧嘩と同じですからねぇ。
台詞が無いのに・・・嫌がらせしてます的な態度の師直に
いい加減にしてくれよ的な感じの判官。
そりゃ切りつけたくもなりますよねぇ・・・気持ちはわかるけど
「殿、もうちょっと我慢すれば・・・」と思うシーンではあります。
思うに、どっちもどっちな感じではあるんですけど。

個人的に山崎街道の話を。
仮名手本忠臣蔵で私が一番好きなのが、この山崎街道の段。
与市兵衛の後ろの叢から手が出て来て・・・定九郎登場の場面。
かつて新之助(現・海老蔵)丈で観た時は、あまりの色男に固まりました。
黒繻子の着物に全身白塗りと言う姿が印象的なのですが
今回の定九郎は黒繻子の着物ではありましたが隈取り。
悪役は大抵が隈取りなので間違ってはいないのですが
なんだか新鮮な感じがしました。
しっかりイノシシが登場したときは「待ってました!」って気分でしたけど(笑)。

討ち入りのシーン、これだけの男性ダンサーが集団で踊る姿は
東京バレエ団だからこそのような気がしました。
勘平や定九郎だったダンサーも混じってるのは面白いですよね。
スピード感のある音楽と振りで見せる討ち入りの場面は見事でした。
師直の首を取った時には「良かったねぇ」と
判官贔屓で観てしまうのが忠臣蔵の不思議な所です(苦笑)。

もともと12時間近くある作品を2時間ほどのバレエ作品へと作り上げ
これが無かったら話が繋がらないと言う部分が全部入っている状態。
ベジャール氏の手腕には「お見事っ!」と言う言葉しか出てきませんでした。

バレエの舞台で三味線や笛、ツケ打ちの音だけでなく
なにより陣太鼓の音を聞くとは予想もしませんでした。
意外に違和感が無いのは、踊っているのが東洋人だからなのかもしれません。
再演の時には、更に成長した由良之助や顔世に会ってみたいです。

そろそろ歌舞伎も通し狂言でやってくれないですかねぇ・・・仮名手本忠臣蔵。


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瀬木あおい

>Caelumさん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2010-04-25 14:49) 

瀬木あおい

>wattanaさん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2010-04-25 14:49) 

瀬木あおい

>江州石亭さん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2010-04-25 14:52) 

瀬木あおい

>shinさん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2010-04-25 14:53) 

瀬木あおい

>xml_xslさん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2010-04-25 14:54) 

瀬木あおい

>まるこさん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2010-04-27 23:04) 

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