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五月花形歌舞伎 昼の部@明治座 [歌舞伎]

今月は、染五郎丈が明治座に登場。
初日の昨日、初の明治座へ行ってきました。

人形町駅から甘酒横丁を通り
浜町の交差点ままで来ると、目の前に明治座。
お隣に水天宮様が仮住まい中と言う事で
この辺りの人出倍増中かも(笑)。

image-20130504131319.png
明治座の正面入口付近です。
右の端の方に法被を着た方がいらっしゃいます。
この方、最後尾と言うパネルを持った入場案内の方です。
明治座は客席が3階にあります。
1階でチケットをチェックして、エスカレーターで3階へ。
退場時は階段も使えますが、入場時はエスカレーターのみ。
入口1つだし、エスカレーターだし、どうしても列が出来てしまうからなのか
案内の方が常に劇場前に居るようです。

エスカレーターを上がって、右側に折詰弁当売場。
エスカレーターを上がって、突き当たりにイヤホンガイドのカウンター。
エスカレーターをあがって、左の劇場入口脇でプログラム販売。
売店は右側スペース全体に何店舗もひしめき合ってる感じ。
階段は1カ所みたいだし、必ずエスカレーター入場。
上りエスカレーターの下りた辺りに色々と集まりすぎだろうが。
これ、導線失敗してるような…気がしますねぇ。
私、余り好きじゃないココの劇場。
入場時も階段使いたいんだよー。
※実は、エスカレーターやエレベーターがあまり好きでは無いのだった。

昼は二作品です。
チラシの案内から解説抜粋。
平家の武将斎藤実盛と、義賢ゆかりの者たちが紡ぐ哀しくそして骨太な「実盛物語」。
源氏の白旗を守りたい一心が起こす奇跡と、巡り巡る親子の奇縁、
未来へつながる主従の縁を描きます。
続いては「与話情浮名横櫛」。
美男美女の与三郎とお富が互いに一目惚れする「見染」と
その後密会が見つかり与三郎がなぶり切りにされる責め場が見どころの「赤間別荘」、
“しがねぇ恋の情けが仇”の名台詞で知られ
明治座界隈が舞台となっている「玄冶店」を上演。

歌舞伎は舞踊物、時代物、世話物に分ける事が出来ます。
歌舞伎が上演されていたのが江戸時代。
と言う訳で、江戸時代より昔の話である「実盛物語」は時代物になります。
今で言う時代劇ですね。
与話情浮名横櫛は江戸の市井を描いているので、世話物になります。
こちらは、今で言う現代劇ですね。

実盛物語は、勘三郎丈で拝見した事があります。
実盛は真面目すぎても遊び人すぎてもダメな役。
勘九郎丈の実盛は、割と父上に近いのかもしれませんが
まだ若いかな〜とチョット感じました。
個人的には、もう少し色っぽさが欲しいんだな。
それでもパパになり、祖父を亡くし、父を亡くし、
中村屋を背負う事になって一つ大人になったようには感じました。
若い実盛ですが、回を重ねていく毎に良い味が出てくるのでしょうね。

子役の子が可愛らしくてね〜。
この作品、欠かせないキャラなんだけど
ついオバちゃん目線で見てしまいます^_^;。

久々の吉弥さん、ばあさんの役をやるように…。
イメージは、葵御前や小万なんだけどな。
月日の経つのって早いね。

歌舞伎に出てくる動物は、笑えるモノが沢山いますが
実盛物語は、ラストに馬が登場します。
普通の馬は、脚が全てバラバラに動いていますが
歌舞伎の馬は、前後に人なものですから、前脚と後脚が同時に出る(笑)。
見事に前の足と後ろの足が右、左、右、左と同じ動きでした。
二人三脚と一緒で、こうしないと前後の足がぶつかって歩けないだけ。
勘九郎丈も背が高いけど、馬の足も高いから
花道を通過する際、勘九郎丈は天井ギリギリでした。
ちょっと馬が変な動きしたら、頭ぶっつけますね。

ちなみに「実盛物語」と言うタイトルではありますが
別に斎藤実盛についての歴史的な話ではなく
実盛が小万の最後について物語ると言う意味での物語です。
伝統文化では良くある表現です。
私も歌舞伎を身始めた時は、物語って言うから、
その人物の話なのかと思ってましたよ。
実際は、その人が何かについて物語る話だった。
いや〜 分かりにくいです(笑)。

与話情浮名横櫛は、通称「切られ与三」。
村田英雄さんの「お富さん」の題材にもなっています。

仁左衛門丈の与三郎は絶品だと思うのですが
染五郎丈は、ぼんぼんキャラが良くに合うもので
ま〜 見事な与三郎を見せてくれました。
見染めの場なんて、ボーッとと具合が秀逸。
金五郎が呆れる位でしたもんね(笑)。
ま、仁左衛門さんには負けてますけどねぇ。

お富のお付きの婆さんが(ばあさんって言ったら怒られるか)は
90歳を超えた小三山さんでした。
しっかりした足取りで、まだ当分は大丈夫な気がしますね。
まさか、十八代目が先に逝くとは思っていませんでした。

見染の場には、客席を散歩してしまう場面があります。
歌舞伎、客席を道に例えて使用するんですが
今回は上手側から客席へ下り、通路を通って一番後ろへ。
一番後ろの通路を通って花道へ戻って行くコース。
劇場の作りもありますが、中には廊下へ出て行っちゃって
二階とか三階とかまで散歩に出かけちゃう作品もありましたっけ。
今回は余りに簡単な散歩コースだったかな〜。

「赤間別荘」の場面は省略される事が多くて
多分、生では一度も拝見していない記憶があります。
しかしながら、サディスティックな場面だよねぇ・・・。
この後の「玄冶店」の場面では、三十四か所の傷があると言う設定の脚を
有難く拝める瞬間がやってくるんですけどねぇ。
毎回、余りの色っぽさにドキドキしちゃうんですよねぇ。
実際、盗賊が居直ってるだけなんで、ドキドキしてる場合じゃないんだけど。

七之助丈のお富は、もう少しユーモア欲しいな〜。
玉三郎丈や菊之助丈のお富に比べると
藤八をいなす辺りがアッサリすぎる気がします。
藤八に白粉を塗る場面で、白粉が良い香りだとか
どちらのモノか?とか聞く場面があります。
聞く方もパターンが色々とあるのですが
お富の返しにもパターンが色々あります。
「三善だよ」とか「資生堂だね」とかありましたが
今回の「舞台用の練り白粉でね」ってのは
新しい気もしますが…ひねりが欲しいな。

昼の部では、ココにしか出番の無い愛之助丈。
多左衛門が妙にハマってましたね〜。
ま、今回の4人のうちでは一番年上ですから当然かもですが
昼の部では、余り出番が無いのが残念です。
愛之助丈の贔屓の方は、夜の部に行かれるのかな。
染五郎丈が贔屓の私は昼の部で大満足ですが。

三幕目の玄冶店の場。
歌舞伎では源氏店と書き、げんやだなと読ませて
上演される事が多いですが、今回は玄冶店としています。
これは実際の玄冶店が、人形町3丁目の辺りになるそうで
実際に人形町3丁目の濱田屋の前に碑があるそうです。
人形町3丁目が明治座近くと言う事もあり、
今回は実際の地名である玄冶店と書き上演されました。
さらに、五月花形歌舞伎の制作発表記者会見は
この人形町3丁目の濱田屋で行われたそうです。
※イヤホンガイドでは、最初の休憩時間に
濱田屋で行われた記者会見のコメントを放送。
ぜひ、今回は観劇のお供にイヤホンガイドを御利用くださいね。

久々に初日にお伺いしました。
一階席で歌舞伎を拝見するのも久しぶり。
なんせ三階席好きだから(笑)。
三階からは見えないモノを久々に拝見しましたし
若手の成長を凄く実感した一日でした。
次は、観客も若手が成長しないとですね〜。

次の歌舞伎は、取れたら七月の歌舞伎座かな。

【配役】(敬称略)
一、源平布引滝 実盛物語
  (げんぺいぬのびきのたき さねもりものがたり)
    斎藤別当実盛/中村勘九郎
    小万/中村七之助
    百姓九郎助/松本錦吾
    女房小よし/上村吉弥
    瀬尾十郎兼氏/片岡亀蔵
    御台葵御前/市川高麗蔵

二、与話情浮名横櫛
  (よはなさけうきなのよこぐし)
   序幕 木更津海岸見染の場
   二幕目 赤間別荘の場
    与三郎/市川染五郎
    お富/中村七之助
    海松坑の松五郎/坂東薪車
    赤間源左衛門/片岡亀蔵
    鳶頭金五郎/中村勘九郎
   三幕目 玄冶店妾宅の場
    与三郎/市川染五郎
    お富/中村七之助
    蝙蝠安/坂東亀鶴
    和泉屋多左衛門/片岡愛之助
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瀬木あおい

>siroyagi2さん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2013-05-05 14:57) 

瀬木あおい

>xml_xslさん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2013-05-05 14:57) 

瀬木あおい

>ゆきママさん

niceありがとうございます
by 瀬木あおい (2013-05-06 10:37) 

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