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『江戸宵闇妖鉤爪~明智小五郎と人間豹~』を観てきました [歌舞伎]

国立劇場で上演中の『江戸宵闇妖鉤爪』を観てきました。

初めは「江戸川乱歩が歌舞伎?」と思ったんですけど、
観てみたら意外に違和感が無くてビックリしました。

081124_1009~0001.jpg【キャスト】(敬称略)
明智小五郎:松本幸四郎
同心 小林新八:市川高麗蔵
娘 お玉:市川高麗蔵
商家の娘 お甲:市川春猿
女役者 お蘭:市川春猿
明智の女房 お文:市川春猿
老婆 百御前:澤村鐵之助
目明かし恒吉:松本錦吾
恩田乱学:市川染五郎
神谷芳之助:市川染五郎

演出:九代琴松(松本幸四郎)
脚色:岩豪友樹子

【あらすじ】

色男の下級幕臣・神谷芳之助は、商家の娘お甲と忍び逢う仲になります。
しかし、何者かがお甲を殺害。その一年後には、神谷の新しい恋人のお蘭が、
大衆の眼前で命を奪われます。
隠密廻り同心の明智小五郎が探索に乗り出します。二つの事件に隠された
<百夜(ももよ)通いの謎>を解き明かした明智は、殺人鬼・人間豹の次の
狙いが自分の女房お文である事を知るのでした。一方、2人の恋人を殺された
神谷は、自責の念から正気を失い、狂気の闇へと落ちて行きます。
人間豹が仕組んだ恐るべき見世物ショーから、クライマックスの大凧による
宙乗りまで、明智と人間豹の息詰まる対決が繰り広げられます。
奇々怪々の謎に満ちた活劇の結末や如何に・・・。


小説は昭和初期の物語ですが、今回は幕末へと設定が変わっています。
染五郎さん、今回は早変わりだけでも大変なのに鼓、舞なども披露。
被害者と加害者の二役は性格が全く違う事もありますし、
一からの役作りなので大変だったと思います。
しかし、神谷は色男で時々「おいシッカリしろよっ」と思うところもありますが
人間豹はすごい悪役の青隈(実は早変わりの関係でマスクなんですよ)。
この見事な演じ分けに同一人物とは思えません。
高所恐怖症だけに宙乗りは怖かったんでしょうけどねぇ。
でも、新感線での舞台が役立ってる気がするのは私だけでしょうか?

幸四郎さんの小五郎は、同心と言う設定ではありますが
時代が幕末と言う事もあるのか、ピストルまで持ち出す演出も。
小五郎と人間豹の掛け合いは、実の親子だけに息もピッタリ。
なんともいえないスピード感と迫力で観客釘付けです。

春猿さんは、3人の美女を演じ分けておられました。
個人的にはお文が一番良かったように思いましたね。
さすが明智の女房だって感じで。

初の試みの作品ではありましたが、来年の10月第二弾が決まったようです。
次回はどんな仕掛けを見せてくれるのか楽しみですね。
幸四郎さんが、一瞬を生きるのが役者と言う仕事だけれど
その一瞬をお客様の心に残sるようにするのも役者の仕事とおっしゃいました。
今回の芝居、確実にお客様の心に残ると思います。

乱歩は歌舞伎好きだったと聞きます。
お孫さんも「たぶん、大喜びしているのでは?」とインタビューに答えてましたが
生きていらしたら狂喜乱舞だったかもしれませんねぇ。
と言うか、乱歩自身が歌舞伎風の小五郎を書いてくれたかもしれません。


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